
はじめに
ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手が、また一つアメリカのファンを唸らせました。
今回注目を集めたのは、試合中のマウンド上ではなく――ベンチでの行動。
カメラが映し出したのは、投球を終えた山本が静かにノートを開き、メモを取る姿。
米メディアはこれを「他のメジャー投手はやらない」「彼は本物のプロフェッショナルだ」と称賛。
一見地味に見えるその行動には、山本由伸の理論的思考と職人としての矜持が凝縮されていました。
この記事では、彼がなぜこの行動を取り続けるのか、その技術的・心理的背景を専門的に解説します。
本文
■ ベンチでの「ノート記録」が話題に
話題となったのは、ドジャース戦中のワンシーン。
マウンドを降りた山本が、ベンチの端で冷静にノートを取りながら振り返る姿が中継映像に映りました。
アメリカでは、試合後にチームアナリストがデータを提供するのが一般的。
そのため、登板直後に自ら手書きで分析する選手はほとんどいません。
それにもかかわらず山本は、自分自身の感覚と結果をリアルタイムで記録する。
この“アナログな研究姿勢”が、
“No other pitchers do this. Yamamoto is a true professional.”
(他の投手には見られない。山本は本物のプロだ)
という海外ファンの称賛を呼んだのです。
■ 山本由伸の「ノート術」— 日本的アプローチと分析力の融合
山本のノートは、オリックス時代からのルーティン。
配球、リリース感覚、打者の反応、球の軌道のズレ――あらゆる情報を即時に可視化します。
これは単なる記録ではなく、脳内での再現性を高めるトレーニングでもあります。
スポーツ心理学的に言えば、登板直後に行うフィードバックは“内省記憶”を強化し、
再登板時に「感覚を再現する力」を向上させる効果があります。
メジャーでは、データ解析チームが全投球を分析しますが、
そこには“感覚的ズレ”や“体の反応”までは反映されません。
山本はその“数値にできない情報”を残すことで、定量と定性の両方から自分を磨いているのです。
まさに、
「データの時代に逆行するようで、実は最も合理的」
という高度なアプローチを実践していると言えるでしょう。
■ 「本物のプロ」と呼ばれる理由
山本の行動が称賛されるのは、単に几帳面だからではありません。
彼が見せているのは、**プロとしての“自己管理力と継続性”**です。
● 1. 再現性への執念
山本は過去の登板との“誤差”を自ら検証します。
これは単なる反省ではなく、「次の試合に同じ失敗を持ち込まない」ための定点観測。
自分の投球を科学的に再現する能力を育てています。
● 2. 環境が変わってもスタイルを崩さない
日本からメジャーへ。文化も習慣も違う環境の中で、自分のスタイルを貫くのは簡単ではありません。
それでも山本は「変える必要のないことは変えない」。
この一貫した姿勢こそが、メジャーでも通用する“プロの軸”を象徴しています。
● 3. チームへの好影響
若手投手たちは山本の姿を見て、自然と学び始めています。
「投げ終わってもあれだけ集中してる」「試合中も成長してる」
と、彼の行動がドジャース全体の意識改革につながっているという声も。
■ 米国メディア・ファンの反応
米スポーツメディア「Dodger Nation」や「MLB.com」では、
“He’s not just talented. He’s relentlessly professional.”
(彼は才能だけでなく、徹底したプロ意識を持っている)
と紹介され、米ファンのリプ欄も称賛一色。
「真剣な表情に心を打たれた」
「これは文化じゃなく、意識の差だ」
「山本のノートは、野球版の“研究論文”だ」
といった声が相次ぎました。
まとめ
山本由伸がベンチで見せた“ノートを取る姿”は、
単なる習慣ではなく、プロフェッショナルとしての哲学そのもの。
彼の行動には、
- 科学的分析と感覚の融合
- 環境に左右されない自己管理
- 成長を止めない継続的思考
という、現代アスリートに必要な要素が凝縮されています。
アメリカで「本物のプロ」と称えられたのは、
速球や変化球のすごさではなく――その思考の深さ。
山本由伸は、野球という競技を“芸術と科学の両面”で極めようとしている稀有な存在です。
これからも、彼のベンチでの一挙手一投足が世界中の注目を集め続けることでしょう。
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