
はじめに
世界中で利用されているクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」で、
米国東部リージョン(us-east-1)を中心に大規模な障害が発生しました。
この障害により、Zoom、任天堂、Slack、Atlassianなどのサービスが一時的に停止・遅延し、
企業だけでなく一般ユーザーにも大きな影響が広がったと報じられています。
今回は、この障害の概要と影響範囲、そして今後の課題について分かりやすく解説します。
本文
■ AWS障害の概要
AWSの米国東部(バージニア北部)リージョンで、日本時間20日未明ごろから障害が発生。
公式ステータスページによると、
EC2(仮想サーバー)、S3(ストレージ)、Lambda(サーバーレス機能)など、20以上の主要サービスが停止または遅延しました。
AWS側は原因を「ネットワーク構成の一部トラブル」と説明しており、
すでに復旧作業は進められているものの、一部では断続的な影響が続いています。
■ 影響を受けた主なサービス
今回の障害では、米国を中心に多くのオンラインサービスに影響が出ました。
- 任天堂のオンラインサービス:一部ユーザーがログインできず
- Zoom:会議への接続が不安定に
- Atlassian(Jira、Confluenceなど):管理画面が一時的に利用不可
- Slack:メッセージの送受信が遅延
AWSは全世界のインターネットインフラの“背骨”とも言われる存在であり、
今回の障害がいかに多くの企業に依存されているかを改めて浮き彫りにしました。
■ なぜ「米国東部リージョン」で障害が多いのか?
AWSの中でもus-east-1(バージニア北部)リージョンは、
利用規模が最も大きく、世界中のサービスがこの拠点を経由して動作しています。
そのため、わずかな不具合が発生しても影響がドミノ的に広がるリスクが高いのです。
実際、過去にもこのリージョンでは
- 2020年11月:S3の障害でNetflixやAdobeがダウン
- 2021年12月:Lambda障害でSlackやDisney+に影響
といった事例があり、“クラウド依存の危うさ”が何度も指摘されています。
■ 今回の障害が示す課題
クラウドは便利で柔軟ですが、
**「一極集中」**というリスクを常に抱えています。
特定リージョンやプロバイダーに依存しすぎると、
今回のような障害時に一気に影響が広がってしまうのです。
企業にとっては、
- 複数リージョンでの冗長構成(フェイルオーバー)
- 異なるクラウド(例:Google CloudやAzure)との併用
などのマルチクラウド戦略を取ることが、今後ますます重要になりそうです。
まとめ
AWSの米国東部リージョンで発生した今回の障害は、
改めて「クラウドに100%の安定はない」という現実を突きつけました。
世界の主要企業が依存するAWSだからこそ、
一度のトラブルがZoomや任天堂といった一般ユーザーにも直撃します。
それでも、クラウドの恩恵は計り知れません。
重要なのは「便利さに頼りきりにならない」体制づくり。
今回の出来事は、企業も私たち個人も“デジタル社会の脆さ”を見直すきっかけになるかもしれません。
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