はじめに

2024年1月に発生した能登半島地震(最大震度7)。多くの人々に大きな被害と衝撃を与えたこの地震について、
最近、東北大学の研究チームが「地下の古いマグマの破壊が地震の引き金になった可能性がある」という新しい見解を発表しました。

これまで「活断層のずれ」に注目が集まっていましたが、今回の研究は、地球内部の“過去の活動”が今に影響している可能性を示唆しています。
今回はその内容を、わかりやすく解説します。


本文

■ 能登半島地震とは

能登半島地震は、2024年1月1日に石川県能登地方で発生。
最大震度7、マグニチュード7.6を記録し、建物倒壊や地盤の隆起など、各地に深刻な被害をもたらしました。

当初は「地殻内での断層破壊による地震」とみられていましたが、
長期にわたる群発地震や、特殊な地下構造が確認されたことから、専門家の間で何か他の要因が関係しているのでは?と注目されていました。


■ 東北大学の研究チームが発見した“地下の秘密”

東北大学の地震・火山研究グループが行った解析によると、
能登半島の地下には数百万年前に活動していた古いマグマの痕跡が存在していたとのこと。

このマグマはすでに冷え固まっているものの、地殻の中で**ひび割れのような構造(マグマだまり跡)**を形成しており、
その周辺では応力(地殻の圧力)が集中しやすくなっていたといいます。

つまり、今回の地震はこの古いマグマの破壊によって生じた可能性がある、というのです。


■ 地震が“大規模化”した理由

研究チームによれば、マグマの跡が割れる際に地殻内でエネルギーが一気に解放され、
それが地震を「連鎖的に拡大させた」可能性が高いとのこと。

この現象は、通常の活断層型地震とは異なるメカニズムを持ち、
地震の予測を難しくしていた要因の一つとも考えられます。

また、地震発生前に観測された群発地震や地殻変動も、
このマグマ破壊によって徐々に圧力が解放されていたサインだった可能性
が指摘されています。


■ 今後の防災への教訓

今回の発見は、火山活動がない地域でも、地下の“古いマグマ”が地震に影響することがあるという新たな知見をもたらしました。

つまり、火山とは無関係に見える地域でも、過去の火山活動の痕跡が残っていれば、
将来的に大地震の要因となる可能性があるということです。

地震研究の世界では、今後この「古いマグマ構造」が地震発生の予測モデルにどう組み込まれていくかが注目されています。


まとめ

能登半島地震の裏にあった「古いマグマの存在」
それは、地球が何百万年もかけて蓄えてきたエネルギーが、今になって放出された結果だったのかもしれません。

私たちが暮らす日本列島は、火山と地震が密接に関わる“生きた大地”。
今回の研究は、自然の力の大きさと、地球の歴史が今も続いていることを改めて教えてくれました。

今後も研究が進むことで、地震の仕組みがより深く理解され、
少しでも被害を減らす備えにつながることを期待したいですね。

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